埴原城西尾根、裏山松の木伐採(チルホール使用 引き起こし伐採)
久しぶりの書き込みです。此の冬は裏山松伐採です。
11月から3月半ばまで作業して。太さは60から70㎝が殆どで、合計19本伐採しました。雪が有ると作業がしにくいので、良い条件の日だけですから、三月までかかってしまいました。
取り敢えずの目的は電柱左、二股になった直径90㎝の大物です。其れには前もって、尾根山側の木を倒して置かないと懸かり木になって倒れません。(松の将棋倒しです。)どの木も重心は家側になっています(傾いている。)ので其の儘切ると家の方へ倒れます。
そこでチルホールを使って引き起こし伐採で、山側へ倒します。
その為に牽くワイヤを掛けます。(二連梯子に安全帯を付けて登る所です。若そうに写っております。岩登り用のフルハーネスとザイルも併用しております)上の写真は下と異なる木のものです。
梯子だけでは届きませんので梯子で6mほど登ってから、3㎜の紐の先に重りとしての小型シャッヤクルを付けて、其れを更に投げ上げ12m程の枝に掛けます。次に3㎜に5㎜の紐、更に50㎜5mのスリングと段々太くして、最後はスリングをスリングの輪に通して幹に掛けます。
此の二股の90㎝は大物で家側に傾いていますので安全を考え、チルホール3台で確実に山側へ倒す様にします。左右2台で向きを確実に付けます。角度は左右45度弱です。
チルホールは上二枚目中央1.6ton、左右0.75tonです。
50㎜5mスリングにシャックルを介して9㎜ワイヤを付けます。中央は9㎜20mワイヤで、其れにTU-16(1.6ton)専用11.7㎜20m(合計40m)ワイヤを付け滑車(7号)で向きを変えてTU-16で牽きます。
左右は9㎜10mワイヤで、其れにS-7(0.75ton)専用9㎜20m(合計30m)ワイヤを付けてS-7で牽きます。
台付けは75㎜3mスリングで止めます。
長いワイヤ3方向の先端ですから、山の中(矢竹の藪)広範囲にチルホール3台が置かれています。
長いワイヤですから、チルホール側から見るとどの木を牽いているか判らない位根元から離れています。安全第一ですから此で良かったと思います。
此処まで重装備である必要も無いのですが、真下に家が在りますので、確実に作業を進めたいです。
受け口3割、弦2割、追い口5割に切りました。
上の写真は牽いている途中ですから、追い口はかなり開いています。併し、谷側へ傾いた木なのでまだまだ山側へは倒れません。
此の後は力業でチルホール3台順番に、ひたすら牽くだけですが、三箇所山の中を歩き(走り)廻りますので、なかなかの重労働となりました。
どうにか目的の向きに倒せました。
急傾斜地ですから谷側に竹で足場を作り、追い口を切ります。実際は狭い足場の上で位置を左右替えながらチェーンソーで追い口を切るのは大変でした。
安全にと考え芯抜きをしませんでしたので牽き倒すのにかなり苦労しました。やはり芯抜きは、した方が良かったかもしれません。
実際のチルホール操作はレバーに大きな力を加えなければなりません。安全と引き替えですが、此は可成りの重労働です。
以下、倒した後の遠景です。
遠くから見ると、其程大物には見えません。
懸かり木にならない様に前もって倒した山側の木(直径65㎝)に、見事命中です。
七つ道具の一部です、チェーンソーは、スチール026バー50㎝です。
次は懸かり木になってしまった木の後始末です。
目的の木は中央です。チルホール(S-7型0.75ton)を使って空いた所を狙いました。
上出来な伐採に見えますが。
残念でした。懸かり木です。
危険ですから近づけません。ましてや梯子などもってのほかです。
作戦は。長さ11mの竹を用意します。
先端に短い竹を巻き付けて、重りにするシャックルを付けた5㎜P.E製紐を其処へ掛けます。此を持ち上げ懸かり木の目的の所迄、竹で伸ばして幹に掛けてシャックルを落とします。P.E製ですので良く滑ってシャックルの重さで充分落ちてきます。
上手に幹を廻りましたので、5㎜P.E製紐に50㎜スリングを付けて、紐を引いてスリングを上げます。
スリングは50㎜5m3本をシャックルで繋ぎ15mにして、スリングをスリングの輪に潜らせて引き、幹に固定完了です。
後はS-7型0.75tonチルホールで木が倒れた向きに対して斜め後方、少し木が持ち上がる向き(こうしないと懸かった所が外れません。)に引きました。思ったよりは簡単に落ちました。
木が落ちた時にチルホールに衝撃力が働かない様に、チルホールを台付けする位置は慎重に決めます。実際は途中に滑車を使いましたので滑車の位置決めです。
以下はその他の支障木伐採後の様子です。何れも山側への引き起こし伐採です。
写っていませんが下に家があります。
懸かり木にならない様に尾根の上から将棋倒し式に伐採します。
上から順番に切りますので、次の木を牽くワイヤ設定の為に切り倒した木は整理します。此が大変です。
最終目的の木は写真では大きく見えませんが、中央櫟の大木です。
此は今秋伐採の予定として、来春椎茸の榾木にする予定です。
伐採は危険を伴う作業です。併し、其れなりの用具(安全帯、チルホール、ワイヤ、スリング等)を使って、伐採木から距離を確保すれば作業を安全に進められると思います。欠点は作業時間が長くなりますが、天候を見計らって休息を取りながら事を進めるのが肝要と思います。幸い、当地は冬殆ど雪が降りませんので悠長に作業が出来ます。